先日ベランダに小さなムカデが大量に発生しているのに気がつきました。小さいうえ動きが遅いためそこまで恐怖を感じることはありませんが、うちには赤ちゃんもいるし、万が一家の中にまで入ってこられては困ります。
家庭の平和を守るのは家長のつとめ。張り切って対策しておきましょう。
小さなムカデは「ヤスデ」という生き物らしい
小さいのでムカデの赤ちゃんかと思いましたが、どうやら「ムカデ」ではなく「ヤスデ」という別の生き物だそうです。
大きさは1cm〜2.5cmで、触れられると丸くなるのが特徴。刺したり噛んだりすることはないそうですが、身の危険を感じると毒性のある臭い体液を出すのだとか。
梅雨(6月〜7月)や秋雨(9月〜10月)の時期に大量発生することが知られていますが、その理由には諸説あって「繁殖サイクルと重なるから」「長雨によって普段いる土の中の環境が変わってしまうから」などの理由が考えられています。
ホームセンターでムカデカダンを買ってきた
ネットでは「シャットアウトSE」という殺虫剤の評判が良かったのですが、近所のホームセンターでは取り扱っておらず、代わりに買ってきたのが「ムカデカダン」という殺虫剤。
シャットアウトSEが「カルバリル」と「エトフェンプロックス」という成分なのに対し、ムカデカダンは「カルバリル」と「ピレトリン」と、殺虫成分に若干の違いがあります。
エトフェンプロックスとピレトリン、どちらも人間に対しての毒性は低めとされる成分ですが、特にムカデカダンで使用されているピレトリン。こちらは除虫菊由来の天然成分となっており、ムカデカダンの殺虫成分のうち85%がこの天然成分で構成されているのだそう。
一応赤ちゃんのいる家庭ですので、こういった天然成分という言葉にはほんのわずか、気休め程度ですが安心感を感じることができます。
ベランダに殺虫剤を盛ってヤスデ対策
シャットアウトSEが3kg入りで2,800円くらいなのに対し、ムカデカダンは1.1kgで800円くらい。容量単価としては同じくらいですが、我が家のようにマンションのベランダに盛るだけの使い方だと3kgはちょっと多すぎだと思います。
実際我が家のベランダでムカデカダン1.1kgを使用しましたが、1/4くらい余っている状態。ただ雨が降ると粉剤が流れてしまうので、追加できるように多少残っているくらいが理想的と言えるでしょう。
さらにシャットアウトSEの場合、紙袋に粉剤が入っているため袋から直接盛るか、別途「コロダスター」など散粉機を購入する必要があります。しかしムカデカダンは、そのまま使用できる容器に入っているのもメリットといえるでしょう。
ベランダでのヤスデ殺虫剤の盛り方
ムカデカダンやシャットアウトSEは粉末状の粉剤です。この粉剤の粉がヤスデの体に付着すると、薬が作用し死んでしまうそう。なのでムカデカダンやシャットアウトSEは、ヤスデの通り道をふさぐように盛るのが基本となります。
また粉剤なので「撒く」と書くのが正しいのかもしれませんが、マンションのベランダで使用する際は「撒く」のではなく「(帯状に)盛る」といった方がより伝わると思うので、こういった書き方をしています。
薄いベージュ色の粉がムカデカダンです。
側溝とサッシの外側で二重の防御
ヤスデをよく見かけるのはベランダの手すり壁(外側の背の低い壁)です。きっとヤスデは、外から手すり壁をつたってベランダに入ってきているのでしょう。
そう予想したうえで、手すり壁を下りたところにある側溝に薬を盛って第1のバリアを作ります。さらに死守しなければならない室内の直前、サッシの外側にも薬を盛って第2のバリアを作りました。
ベランダの側溝は奥(壁側)がわずかに低くなっているので、手前(室内側)に撒くようにすると、ほんの少しですが雨の影響を穏やかにすることができます。
実際に雨が降ったあと。雨水が奥の手すり壁側を通って、手前に盛った粉剤が残っているのが分かります。
見た目がイケてないのがネック
繰り返しになりますが、ムカデカダンやシャットアウトSEは粉末状の粉剤です。ゴキブリのエサ型殺虫剤のように目立たないとこに置くわけにもいかないし、スプレーや液体タイプのように目に見えないわけでもありません。
粉状の殺虫剤が側溝やサッシの外側に盛られている様子は正直気に入りませんが、梅雨時期・秋雨時期だけとあきらめるしかありません。
一晩でヤスデが壊滅!と思いきや…
ムカデカダンをベランダに撒いて一晩。翌朝には、たくさんのヤスデの死骸がベランダに転がっていました。
それから数日はヤスデを見かけることもなくムカデカダンの明らかな効果を実感していたのですが、殺虫剤を撒いて数日後に降った雨。このタイミングでまたたくさんのヤスデが出てきてしまいました。
ただこれは、ムカデカダンの駆除範囲が側溝から内側のため。手すり壁はノーガードなので、新たな雨で刺激された新たなヤスデが登ってきたのでしょう。そしてこれは、雨が降る度に同じことが起こります。
マンションのベランダにおける現実的なヤスデ対策
手すり壁ですらヤスデの姿を見たくないという方は、ベランダの外側になんらかの対策をほどこす必要があります。しかし多くのマンションの場合、それは不可能でしょう。
なのであくまでムカデカダンで駆除するのは側溝から内側のみと割り切り、雨が降る度に手すり壁に現れるヤスデは、ほうきなどを使って死の谷デスバレー(側溝)に叩き落とす。
これがマンションのベランダにおけるヤスデ対策の、現実的な解決方法ではないでしょうか。