赤ちゃんができた時、旦那さんがまず買うべきものはカメラだと思います。
マタニティグッズやベビー用品などは、これからノンビリ揃えていきましょう。でもカメラは、妊娠が分かったらできるだけ早く買ってください。
今回はその理由と、赤ちゃん撮影におすすめのカメラをご紹介します。
出産後は間違いなく欲しくなるカメラ。だったら今から買っておこう
かわいい我が子の姿を見ていると、どうしても写真に残しておきたくなります。実際私の場合も、赤ちゃんが生まれてからは家でカメラを構える機会が爆発的に増えました。
そしてたくさんの写真を撮っているうちに「もっと良い写真が撮りたい」という気持ちがわいてきます。「スマホで充分」と思っていたお父さんも、写真を撮るという行為がより身近になることでカメラへの興味が増していくことでしょう。
遅かれ早かれ手にするのであれば、少しでも早く手にしておくべきだと思います。
妊娠が分かってすぐにカメラを買うメリット
二人だけの思い出を美しく残しておける
第一子が生まれるということは、最低でも数年スパンで二人きりになる機会が無くなることを意味します。家族が増えるのでそれはそれで喜ばしいことですが、実際二人だけだった頃を懐かしく思い出してしまうのも確か。
今のうちにたくさん二人でお出かけして、楽しい思い出をたくさん作りましょう。そしてその楽しい思い出も、カメラがあればより美しく残すことが可能です。
尾道で猫を撮影する妻。3年くらい前でしょうか、懐かしいですね。
マタニティフォトが撮れる
第一子の場合、初めての体験ばかりで奥さんは何かと戸惑いがち。大きく張りだしてくるお腹も、そういった体験の1つです。
旦那さんの役目は、その貴重で美しい姿を写真に残しておくこと。いずれ間違いなく、大切な思い出の1枚になるはずです。
お腹にイラストや文字を書いたり、そんな凝った演出は必要ありません。「思い出のシチュエーション+お腹の大きな奥さん」というだけで、充分素敵な写真になります。
ちなみにこちらは、出産まで妻と一緒に通っていた病院で撮影したもの。背景となるスペースに人がいなくなるまで20分くらい待ちました。院内での撮影が禁止されている病院もあるので、事前に確認しておきましょう。
ただし妊娠期間は十月十日ありますが、お腹がより大きく、マタニティ感マックスになるのは妊娠9ヶ月目以降。マタニティフォトを撮るのなら、せっかくなのでその時期まで待った方が良いと思います。
出産までにカメラに慣れることができる
出産直前にカメラを買ったとしても、カメラの操作に慣れていないと思い通りの写真を撮ることはできません。
出産は始まると待ったなし。「ズームはどうするんだっけ」「もう少し明るく撮りたいんだけど」そうやってモタモタしているうちに出産が終わってしまうことも充分に考えられます。
出産シーンや出産直後の赤ちゃんを撮りたいのであればカメラは早めに購入しておき、何度も撮影の練習をしてカメラの操作に慣れておきましょう。
念のため伝えておきたいこと。最近のカメラは動画も撮れる
ご存じの方も多いとは思いますが、最近のカメラは写真だけでなく動画も撮影することができます。コンデジからミラーレス、一眼レフにいたるまで、ほとんどの機種に動画撮影機能があると言って良いでしょう。
特にミラーレス・一眼レフで動画を撮影した場合、クオリティはスマホの比ではありません。まるでプロが撮影したかのように背景が美しくボケた映像を誰でも撮影することができます。もちろん動画用にあらためてビデオカメラを購入する必要もありません。
コンデジは買う意味ほぼ無し。選択肢から外してOK
またコンパクトデジタルカメラという名前の通り気軽に持ち出せるコンパクトさが魅力のコンデジですが、写真のクオリティは残念ながらスマホレベル。
ただしこれは「スマホ並みに画質が悪い」のではなく「コンデジのクオリティにスマホが追いついた」状態と言えます。ですのでコンデジを買うくらいならスマホで充分。コンデジの予算を大容量のメモリーカードに当てて、選択肢から外してしまいましょう。
カメラマンがオススメする赤ちゃん撮影に適したカメラ
赤ちゃんが生まれて8ヶ月が経ちました。その間に数千枚と撮影をして見えてきた、赤ちゃんを撮影する際にあったら便利な機能。それらが備わったカメラをご紹介します。
Canon EOS 6D Mark II ボディ
プレパパにおすすめするカメラは、Canon EOS 6D Mark II。小さめの筐体とバリアングル液晶が特徴のフルサイズ一眼レフカメラです。
EF24-105mm F3.5-5.6 IS STMというレンズがセットになったレンズキットも販売されていますが、レンズキットではなくボディ(カメラ本体)のみ単品で購入されることをおすすめします。理由は後述します。
フルサイズってなんだろう?
フルサイズとはカメラの内部にある、光を読み取るセンサーサイズの規格です。具体的には36x24mmのものをフルサイズと呼び、それより小さな24x16mmや22.5x15mmのものをAPS-C、さらに小さな17.3x13mmのものをフォーサーズと呼びます。
フルサイズ一眼レフのメリット
暗いところでの撮影に強い
センサーが大きいということは、それだけ光をたくさん取り込めるということ。つまり夜間や薄暗い室内での撮影でもキレイな写真を撮ることができるのがフルサイズ一眼レフのメリットといえます。
さらに常用ISO感度(ボディ本体が持つ明るさをコントロールする性能)は上位機種のEOS 5D Mark IVを上回る40000までとなっており、まさに盤石の体制といっても過言ではないでしょう。
豊かな階調表現
背景がよくボケる
一眼レフカメラの特徴として挙げられるのが背景をボケさせることができるということ。背景をぼんやりとボケさせることにより主題が引き立つとともに、よりドラマチックな印象を見る人に与えます。
子供撮影の必需品!バリアングル液晶
バリアングル液晶とは可動式の液晶画面のこと。液晶部分を好きな方向に変えられるので、子供目線のアングルでも腰を曲げることなくラクラク撮影することができます。
さらにカメラを頭よりも高くかざすことができるので動物園など人混みの中での撮影も可能ですし、レンズと同じ方向に液晶を向ければ自撮りだって可能です。
そしてこの便利なバリアングル液晶が付いているフルサイズ機は、(キヤノンの中では)EOS 6D Mark IIのみとなっています。
ファーストレンズはEF40mm F2.8 STMがおすすめ
EOS 6D Mark IIはEF24-105mm F3.5-5.6 IS STMというレンズがセットになったレンズキットも販売されています。しかしこのレンズ、大きくてかさばるうえスペックも中途半端なのでおすすめしません。
EOS 6D Mark IIはボディ(カメラ本体)単品で購入して、EF40mm F2.8 STMというレンズを併せて買うのがおすすめです。
高性能なカメラやレンズを買っても、持ち出さなきゃ意味がない
EF40mm F2.8 STMはズームのついていない単焦点と呼ばれるレンズです。そのため「もっとアップで撮りたい」と思った時は自分が移動して被写体に近づく必要があります。はっきりいって不便です。
しかしその不便さを補っても余りあるメリットがこのレンズにはあります。それは、ご覧のとおりの薄さ。※カメラは6D2ではなく5D2です。
薄いのでバッグの中に放り込んで、気楽に出かけることができます。カメラに装着した際の形が「凸」ではなく、ほぼ「ロ」なので「雑に扱っているとレンズの付け根が折れそう」というイメージからも開放されます。
なのでカメラバッグは必要ありません。お出かけする時は普段使いのトートバッグにポイッと放り込むだけでOK。レンズ部分の小ささも、雑に扱っても大丈夫な気にさせる大きなポイントです。
とにかく出かける際の心理的障害「荷物が増えるし面倒だから、今日はカメラを持っていくのをやめておこう」を可能な限り減らすことができるのが、このレンズのイチバンの魅力。
これはどんな高級レンズにも劣らない、EF40mm F2.8 STMならではの突出した性能といって良いでしょう。
1歳半になるまで、子供は走らない
平均すると子供は1歳で歩き始め、1歳半で小走りを始めるそうです。つまりそれまで赤ちゃんは自分で移動ができないし、ハイハイなどで移動したとしてもとてもゆっくりな動作。
つまり赤ちゃんが1歳半になるまで、離れた場所からズームして撮影するシチュエーションはほとんどありません。子供がまだ小さなうちは単焦点レンズで充分事足りるのは、私自身の経験から実証済みです。
ズームレンズは走り始めたり、幼稚園や保育園での運動会などに参加するようになってから要検討。それからでも決して遅くはありません。
薄さだけじゃない!EF40mm F2.8 STMの魅力
室内での撮影に最適な明るさと焦点距離
レンズの明るさを示す数値としてF値というものがありEF40mm F2.8 STMの場合、F値は2.8となります。これは超ザックリいうと、たくさんあるレンズの中でも2番目に明るいもの。つまり明るさという性能面では、高級レンズに負けていないということになります。
そして明るい(光をたくさん取り込める)レンズということは、暗い場所での撮影でもキレイに撮れるということ。お家の中や病室、分娩室の中でもフラッシュ(ストロボ)を使うこと無く、キレイで雰囲気のある写真を撮ることができます。
さらに40mmという焦点距離も室内撮影にピッタリ。焦点距離とは超ザックリいうと「撮影できる範囲」のことで、この数値が少ないほど視野が広くなり、多くなるほど視野が狭くなります。
単焦点ならではの画質とボケ
ズームのできない単焦点レンズですが、構造がシンプルなぶん画質はハッキリくっきり。単純に、キレイな写真を撮ることができるのが単焦点レンズです。
価格が安い
構造が単純で使われているレンズの枚数も少ないことから、ズームレンズと比べて安いのも単焦点レンズの大きな魅力。
最初にお金をかけておいた方が、結果的に安上がり
この記事を書いている2018年7月6日の時点でEOS 6D Mark II ボディは179,000円、EF40mm F2.8 STMは17,260円(※ともにAmazonでの販売価格)、合計すると196,260円です。
「これから赤ちゃんも生まれるし、カメラでも買うか!」と意気込んでいたプレパパさん、ドン引きさせてしまってごめんなさい。恐らくきっと、予算は5万円〜10万円程度と漠然と考えてらっしゃったのではないでしょうか。
初心者ほどできるだけ良いカメラを使った方が良い
カメラの価格が高ければ高いほどキレイな写真が撮れるというイメージですが、これは間違ってはいないものの正解でもありません。では高いカメラと安いカメラの性能差はどこに現れるのでしょう?
それは撮影が可能なシチュエーション。暗いところだったり被写体の動きが速いなど、条件が悪くても良い写真を残しやすいのが高いカメラです。図にしてみました。
写真のクオリティは「技術×知識×機材」で決まります。そして技術や知識(センスを含む)は経験がものをいいますが、機材だけは唯一お金で解決できるものです。
ここでちょっと小休止。オレのカメラ遍歴を聞いてくれ
私が初めて買ったデジタル一眼レフは「Canon EOS kiss Digital N」のレンズキットです。2005年のモデルで当時の販売価格は12万円前後でした。さすがにもう使っていませんが、なぜかまだ手元にあります。
私がCanon EOS kiss Digital Nを選んだ理由は、当時退社したばかりの某編集部で同機種を使っており、多少触ったことがあったから。さらに買った時点で、仕事として撮影をする必要に迫られていました。
でもなかなかイメージ通りの写真が撮れません。当時は知識も技術も機材も未熟だったので当然と言えば当然なのですが、当時の私はそのことが分かりません。そして多くの人が抱くであろう疑問にぶつかります。
カメラ(レンズ)が悪いのか、オレの腕が悪いのか
初心者の多くはその疑問を解決するためにまず、数万円クラスのレンズをあれこれ買ってみます。レンズキットを買った人は、この段階で単焦点を購入します。そして一通り試しているうちに、もう少し上位クラスのカメラが欲しくなります。
そこで私はkiss Digital Nを1年足らずで手放しCanonの大ヒットフルサイズ機、初代EOS 5Dの購入にいたりました。ボディ(カメラ本体)だけのお値段で、当時およそ36万円。
この時点でkiss Digital Nの12万円+レンズ色々10万円+EOS 5Dの36万円、合計58万円かかっています。結局「最初から少し良いカメラを買っておいた方が、トータルでの出費は少なくて済む」これは私自身の経験に基づいたアドバイスです。
これから初めてのカメラを買おうとする皆さまは、ぜひ技術や知識の未熟さをフォローしてくれる良いカメラを購入して、思い通りの素敵な写真が撮れる楽しさを味わってください。
いろいろと語ってみましたが、人それぞれ好みもあるし、このカメラ・レンズ以外はダメというわけでもありません。
なんとなく参考にしていただいて、今から始まる妊婦さんや赤ちゃんとの生活を、カメラ片手に楽しく過ごしてくださいね。