赤ちゃんがハイハイを始めたのでベビーゲートを探していたのですが、我が家でベビーゲートを設置したいのは引き戸3枚が連なる扉の部分。横幅は230cmです。
200cmを超える大型サイズで、なおかつ見た目や機能性など私の要望を満たすベビーゲートはほとんどありません。イメージが近いものがあっても価格が3万円近くするため、やむなく自作DIYで作ってみることにしました。
ちなみに私はDIY経験ほとんど無しの初心者です。
LABRICO(ラブリコ)と2×4(ツーバイフォー)材で柱を立てる
跨ぐタイプのベビーゲート(ベビーサークル)もありますが、私は赤ちゃんを抱いてつまづかない自信が無かったので、扉(ドア)付きが理想。それを実現するには、柱を何本か立ててその間に扉と柵を設けるのが一番手っ取り早いと判断しました。
LABRICO(ラブリコ)って?
ツーバイフォー材を大型の突っ張り棒にするアジャスターです。ツーバイフォー材を必要な長さにカットして使える自由度と、不要になれば跡を残さずに撤去可能なフレキシブルさが魅力。
2×4(ツーバイフォー)材って?
2×4という規格に沿った断面サイズ38x89mmの木材です。他にも2×3(ツーバイスリー)や1×4(ワンバイフォー)などがあり、すべてひっくるめて2x(ツーバイ)材や1×(ワンバイ)材と呼びます。
表面を研磨してあるうえ角も面取りしてあるので、ベビーゲートを作る材料としてはこの上なく適していると思います。
2メートルくらいのスペースであれば立てる柱は3本でOK
強度的に不安だったので最初は柱を4本立てるつもりでしたが、実際に立ててみるとなかなかの圧迫感。
結局3本の柱で作りましたが、開放感もあって強度も問題なさそう。1本減らして正解でした。
これが完成図です。左側にもう1本柱が立っています。
LABRICO(ラブリコ)を設置する際の向きについて
我が家ではスペースの都合上、ラブリコを90°回転した横長の向きで使用しています。
ある程度力を加えてみて安全を確認していますが、やはりベーシックな縦長の向きがより強度が増すのは確実。うちのようにスペース的な問題がある人以外は、この向きでの使用を推奨しません。
材料はすべてホームセンターでカットしてもらう
1カット数十円程度(私が行ったホームセンターでは30円)なので、材料はすべてホームセンターでカットしてもらいましょう。
カットさえしておけば、あとは基本的に組み立てるだけ。そう考えると、面倒くさそうな手作りベビーゲートも少しだけ気が楽になりませんか?もちろん柱だけじゃなく、すべての材料をカットしてもらいました。
ちなみにですが、例えば3本の木材を同じ長さに切る場合は3本をまとめて1度にカットするので、3本切っても1カットの計算になります。
DIYビギナーは要チェック!材料は一度にすべてを揃えちゃダメ
いくら正確に寸法を測ったつもりでも、いくら正しく計算したつもりでも、私のようなDIY初心者だと必ず誤差が出ます。
誤差が出たため寸法が足りないor長すぎて材料を買い直すといった事態を回避するため、作業は必ず何段階かにわけてその都度採寸。その数値をもとに材料を購入していきましょう。
今回のベビーゲートの場合だとまず柱とラブリコだけを購入して、実際に柱を立てたうえでその間の距離を採寸。そのサイズに合わせて残りの材料を購入していくといった流れになります。
ベビーゲートの柵部分を作る
正式名称が分からないのですが、ここでいう柵とは写真の赤い部分のことです。柵の形は幾つか候補があったのですが、最終的には複数の縦棒を上下2本の横棒で挟むタイプにしました。
柵の高さはつかまり立ち時の目線よりも低く
柵の高さは、赤ちゃんがつかまり立ちをした時の目線の少し下としました。身長73cmの息子の場合だと床から60cmの高さ。これくらいにしておけば、立ち上がった時の視界をベビーゲートが邪魔しません。
また今後大きくなっても、恐らく大丈夫な高さだと思います。万が一もっと高さが欲しくなった時は、柵の取り付け位置を上にずらせばOK。この辺の自由度はDIYならではでしょうね。
柵の下に空間をもうけておこう
柵は床から浮かせて取り付けましょう。この方が扉との一体感が出るし開放感もアップ。さらにお掃除もしやすくなるうえ、ルンバの通り道にもなります。ちなみにルンバの高さは全モデルともに9.2cmです。
浮かせる高さの目安は、赤ちゃんが通り抜けられないように頭の直径よりやや短めくらいがベスト。うちでは13cmとしました。
なので柵自体の縦サイズは計算上「床からの高さ60cm-下にあける空間13cm=47cm」となります。
縦棒は”赤ちゃんが諦める”間隔で
並べて立てる縦棒の間隔も頭の直径よりも少し短めの13cmにしました。これは実際に通り抜けられないのはもちろん、赤ちゃんが見ても「ここは無理」と思わせられる間隔であることが大切です。
この縦棒の間隔を頭の直径ギリギリにしてしまうと赤ちゃんが「通り抜けられそう」と判断してしまう可能性があり、挟まってしまうなどの事故を起こしかねません。
ベビーゲートの柵に使った材料・組み立て方など
横棒は断面サイズ19×38mmの1×2(ワンバイツー)材を、縦棒は13Φの木製丸棒を使うことにしました。もちろんすべてホームセンターでカットしてもらっています。
あとはそれらを皿木ネジで等間隔に固定していくだけ。きちんとスケールなどを使って等間隔に目印を付けた上で作業していきましょう。
また私が使った皿木ネジは太さ3.1mm/長さ50mmのもの。これより太いとワンバイツー材に亀裂が入る可能性があります※実際太さ3.8mmの皿木ネジを使ったらワンバイツー材に亀裂が入りました
ベビーゲートの柵が完成したら柱に取り付けます。ツーバイフォー材の短辺とワンバイツーの長辺が同じ38mmなので、ぴったりツライチ。
横棒はL字型の金具(巾広アングル)で固定しました。
材料を基準に寸法を決める方法もある
ホームセンターで売っていた13Φの丸棒の長さは182cm。そこから上記の計算で出した47cmは3本しかとれず、しかも余りが41cm。
そこで182cmから4本作るとして計算してみると、1本あたり45.5cm。最初に計画した47cmと1.5cmしか変わらないため、柵部分の縦サイズは45.5cmでいくことにしました。
パネルソーの刃の厚みも考慮せよ
ホームセンターで木材のカットを依頼した場合、パネルソーと呼ばれる大型の電動のこぎりでカットしてもらうことになります。このパネルソーの刃の厚みが4mm。つまり1回カットするごとに4mm分が木くずとなってしまい、そのぶん棒も短くなります。
だから厳密に均等に182cmを4等分するのであれば、3カット分の1.2cmを引いた180.8cm。これを4で割った45.2cmが正解。
ただし実際にカットをお願いする際は「45.2cmずつにカット」ではなく「この182cmの棒を4等分したい」という伝え方の方が良いと思います。
皿木ネジは釘のように刺してから回す
皿木ネジをいきなりドライバーで回し入れても、なかなかスムーズには入っていきません。まずは金槌でコンコンコンと釘のように刺してから回していくと楽に入っていきます。
ベビーゲートの扉(ドア)部分を作る
基本的には上記のベビーゲートの柵、その横幅が短い版を作るイメージです。縦サイズや縦棒の間隔も柵部分と揃えた方が、個人的にはスッキリして好み。
ただし丁番を付ける部分が必要&出っ張りを極力無くしておきたいので、左右にワンバイツー材を使って外枠を追加しました。
扉(ドア)付きベビーゲートを自作する際の注意点
扉の横サイズは柱間の距離-1〜1.5cmくらい
柱の間の距離ジャストで作ってしまうと、余裕がないため扉として開くことができません。
私は適当に、柱の間の距離-1cmでカットしてもらったのですが、丁番の厚みも含めてピッタリでした。
扉の厚みにもよりますが、まずは「柱の間の距離-1〜1.5cm」で様子をみましょう。もしそれで開かなくても、再度ホームセンターに持っていけばカットしてもらえます。
ロックは上下2箇所が最強。2つが面倒なら真ん中に1つ
ロックは下の画像のタイプを選びました。黒いキャップの付いたバーを左に押し込むとロックがかかり、真ん中の四角いボタンを押すと解除されます。バーを受ける側の金具も、ワンバイツー材の厚み19mmにピッタリ。※写真は施錠された状態
ロックは最初、扉の上に1つだけ付けていたのですが赤ちゃんが力いっぱい揺するため、扉の下にも追加することにしました。
ロックが扉の上だけだと少し揺すっただけでも音が鳴ってしまうので、それを聞いた赤ちゃんのテンションが上がります。するとどうなるか…全力で扉を揺すり始めます。本気で壊されるかと思いました。
なので下側のロックは扉を開けさせないためではなく、扉を激しく揺すらせないため。常にロックする必要はありませんが、ロック2つの施錠・解錠が面倒くさいという方は真ん中に1つだけでも良いかもしれません。
盲点だったベビーゲートの扉、外枠部分の固定方法
柵で使用した丸棒は回転しても問題がないため皿木ネジ1本による固定で良いのですが、ベビーゲート扉の外枠を同様に固定してしまうと丁番の動きに合わせて回転してしまいます。
なので外枠は皿木ネジ2本で固定するのが正解。※画像は合成です
手作りベビーゲートの扉(ドア)のつけ方
ドアの固定には丁番をいう金具を使います。私が使用したのは64mmのもの。これをベビーゲート扉の上と下、2箇所につけています。
ちょっと目立っている右上のL字金具は、上で説明したクルクル回ってしまう外枠を固定するために仕方なくつけたもの。あまり見栄えが良いものではないため、皆さんはぜひ皿木ネジ2本で外枠を固定してください。
手作りベビーゲートの扉(ドア)は壁に向けて開くようにする
自分で作るので当たり前ですがDIYは自由度が高い、というよりも完全に自由です。でもこれはすべてを自分で考えなければいけないということでもあります。
ドアを左右どちらにつけて、どの向きで開くようにするか。色々考えて出した結論が扉は壁のある方向に向けて開く、です。こうしておけば、扉を全開にした際も邪魔になりません。
有ると無いとじゃ大違い!ドアストッパーは必ずつけよう
丁番の向きが決まっているので極端にはズレませんが、ベビーゲートの扉を施錠するには取り付けたロックのバーを鍵穴に通さなくてはいけません。ドアが微妙に開きすぎた場合だと、バーの位置まで鍵穴を微妙に戻してやる必要があります。
毎回その作業をするのは面倒なので小さなL字型の金具を扉に取り付けて、ロックの位置ジャストで扉が止まるようにしました。ベビーゲート完成後に不便を感じて追加したものですが、これは絶対にあった方が良いと思います。
そんなこんなで自作ベビーゲート完成
そんなこんなで手作りベビーゲートが完成しました。息子も満足そう。
つかまり立ち・つかまり歩きまでできるようになった息子ですが、座るときも縦棒を使って上手に着地するようになりました。
また全ての赤ちゃんがやってしまうであろう、コレ。
私は無塗装としましたが、色を塗りたい場合は食品衛生法に適合した自然塗料を使用しておけば安心です。
結論:DIYは下準備が8割と心得よ
仕事を円滑に進めるための心得としてよく言われる段取り八分・仕事二分という言葉。これはもともと大工さんの間で使われていた言葉なのだそうです。
DIYでもこの言葉は当てはまるようで「仕事=組み立て」というメインの作業は全体の2割程度。あとは長さを測ったり計算したり材料を揃えたりといった地味な作業の連続でした。
ただこの地味な作業が出来上がりのクオリティに大きく影響します。できれば手を抜かず、しっかり取り組みましょう。
DIYで自作したベビーゲートにかかった費用・時間について
使用する木材やネジなどすべて合わせて約13,000円です。かかった時間は途切れ途切れの作業で3日ほどなので、要領よく作業すれば1日で作れると思います。
手作りベビーゲートに使用した材料
ラブリコ LABRICO ×3個
ツーバイフォー材 8f/243.8cm ×3本
ワンバイツー材 6f/182.8cm ×3本
木製丸棒 13Φ(パイ) 182cm ×4本
L字金具 巾広アングル 幅30mm ×4つ
丁番 64mm ×1つ(2枚入)
ラッチ錠 ×2個
皿木ネジ 3.1X50mm ×40本
皿木ネジ 3.8X25mm ×36本
手作りベビーゲートで使用した工具
必ずあった方が良い工具
電動ドライバー
DIYが趣味の人だけでなく、一家に一台レベルで合った方が良いのが電動ドライバー。今まで30分かかっていた家具の組み立てが10分で終わります。悪いことは言わないので、まだ持っていない人は今すぐ買うべき。使用頻度の少ない人ほど、充電式ではなくコンセントに繋ぐ有線タイプがオススメです。
必須じゃないけどあったら便利な工具
レーザー距離計
一般的な工作レベルならメジャーで事足りるのですが、今回のベビーゲートのように室内の寸法を測る場合はレーザー距離計があった方が便利。
水平器
今回の手作りベビーゲートでは、柱を真っ直ぐ立てる・手すりを水平に取り付ける際に使用しました。
失敗談も書いたので、もしよろしければ併せてどうぞ。