生後5ヶ月の赤ちゃんが受けるワクチン接種について

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遅ればせながら、今回はじめて赤ちゃんのワクチン接種に同行してまいりました。

赤ちゃんが注射で泣きじゃくる姿を見て、父親として一体どういった心境に至るのか興味深かったのですが、しばらく体験していない注射の痛みを思い出しながら「そりゃ泣くよね」って感じ。

言葉にすると「注射、痛いよね。泣くのも分かるよ。でもこれは君のためなんだ、頑張れ」といったところでしょうか。子供自身のためという免罪符があるからか、はたまた私の人間性に問題があるのかは分かりませんが、超冷静に注射を打たれる赤ちゃんを見ていました。

これから1回目(生後2ヶ月)・2回目(生後3ヶ月)・3回目(生後4ヶ月)のワクチン接種という方は、以下をご覧ください。

生後5ヶ月目に接種するワクチンは2種類

4種混合

4種混合ワクチンとは、その名のとおりジフテリア百日せき破傷風ポリオという4種類の病気を予防するワクチンとなります。

接種は今回が3回目となり、しばらく間をあけて7ヶ月後(12ヶ月目)に最後の接種をしてお終いです。

時期・回数3ヶ月4ヶ月・5ヶ月・12ヶ月 今回を入れて残り2回
費 用無 料

BCG

BCGとは結核を予防するワクチン、いわゆるハンコ注射ってヤツですね。このBCGを接種しておくことによって、結核発症のリスクを52〜74%ほど減らすことができるのだそう。

4種混合とBCG、どちらも全ての赤ちゃんが接種しなくてはならない定期接種となります。

結核

結核とは、結核菌によって発症する感染症です。結核というと何となく過去の病気というイメージを持っていましたが、厚労省によると患者の数は毎年18,000人にも及ぶのだとか。

一般的には感染した菌は肺で増え、咳や血痰が症状としてあらわれる肺炎を引き起こします。しかし結核菌におかされるのは肺だけではなく、可能性は低くなるもののリンパ節や腎臓、脳なども。

もしも脳(をつつんでいる髄膜)が結核菌におかされると、結核性髄膜炎が引き起こされます。結核性髄膜炎になってしまうと、およそ1/3が死亡。治った人でも約半数が脳に重い後遺症が残るという、大変恐ろしい病気です。

感染経路は、咳などでうつってしまう空気感染。ただし「感染=発病」ではなく、健康な人であれば免疫によって結核菌を押さえ込むことができます。

時期・回数5ヶ月 1回のみ
費 用無 料

赤ちゃんだけの問題じゃない!コッホ現象とは

BCG接種後は、ハンコ注射の跡がポツポツと腫れてきます。そしてこの腫れは1〜2ヶ月でピークを迎え、それから数ヶ月かけて治っていくもの。しかし腫れのピークが接種から3〜10日以内に来たら注意が必要です。

これはコッホ現象と呼ばれ、ワクチンを接種する以前に結核に感染していた可能性を示す症状。もしもコッホ現象があらわれたら、ワクチン接種をした病院で診てもらいましょう。救急車を呼んだり夜間救急を受診するほどの緊急性はありません。

ただし生後5ヶ月未満の赤ちゃんが結核に感染していたとなると、感染させたのはその家族である可能性大。コッホ現象があらわれたら赤ちゃんだけでなく、同居する家族全員が病院で診察してもらう必要があります。

生後5ヶ月目に必要なワクチン接種費用

どちらも定期接種のワクチンなので無料です。

ワクチン接種の流れ

基本的には一般的な診察とまったく同じです。受付→待合室→中待合→診察→ワクチン接種。中待合に移動した時点で、診察をしやすいよう準備(服のボタンを外しておく・服を脱がせておくなど)をしておくのが、赤ちゃんならではでしょうか。

今回は定期接種のワクチンだけだったので支払をする必要はありませんが、3ヶ月後(生後8ヶ月目)にひかえたB型肝炎の予約を、可能であればして帰りましょう。

こんなんだった!?ハンコ注射

多くの人がハンコ注射経験者だと思いますが、子供の頃に接種しているため形状まで覚えている人は少ないのではないでしょうか。私も妻も、まったく覚えていませんでした。

ハンコ注射の形と仕組み

まずハンコ注射には、薬剤を入れるシリンダー(ポンプ部分)がありません。注射器にあるのは、短く正方形に並んだ9本の針のみ。プラスチック製のとてもチープな外観です。

ワクチンは腕に直接塗って、そこへ判子をつくようにポンポンと2カ所、注射器を当てます。短い針を肌に突き刺すことによって、肌に塗られたワクチンが体内に押し込まれる仕組みになっています。

またハンコ注射は打って終わりではなく、肌に残ったワクチンを乾かさなければなりません。看護士さんがうちわであおいで乾かしてくれます。

ハンコ注射の跡がある人と無い人の違い

私の腕にはハンコ注射の跡がありません。打ち忘れかなーと思っていた時期もありましたが、実はそうではありませんでした。ハンコ注射の跡がある人と無い人の違いは、ツベルクリン反応検査の結果の違いです。

以前ハンコ注射は、ツベルクリン反応検査で陰性になった人だけが接種していました。ツベルクリン反応検査とは、それまでに結核にかかったことがあるかどうかを調べる検査。

つまり「結核にかかったことが無い=結核に対する免疫がない」という判断のもと、ハンコ注射でワクチンを打っていました。

そしてツベルクリン反応検査が実施されていたのが、幼児・小学生・中学生の合計3回。ハンコ注射の跡が無い人は、この3回のツベルクリン反応検査がすべて陽性だった人。もしくは傷が運良くキレイに治った人のどちらかということになります。

ちなみにこのツベルクリン反応検査は、BCGの接種時期が生後6ヶ月未満(現在は1年未満)に変更された2005年以降は行われなくなりました。

ハンコ注射の跡を目立たなくするために

基本的にはほとんど目立たなくなるもの…らしい

2005年までは、もっとも遅いタイミングだと中学生の時にハンコ注射を打っていました。ある程度成長した中学生の体だと、跡も残ってしまいがち。「ハンコ注射=跡が残る」というイメージは、この辺りが原因だと思われます。

しかし現在のハンコ注射を打つタイミングは、乳児の時(生後5〜8ヶ月が推奨月齢)。これからどんどん成長するので、ハンコ注射の跡はほとんど残らないそうです。数年という長いスパンで、気長に様子を見ていきましょう。

ただ注意点が無いわけではありません。あまり気にする必要はないと思うのですが、ほんのちょっとした気配りで傷はより目立たなくなります。

触らない・触らせない

気を配るポイントはこの1点のみです。ハンコ注射を打った後に腫れてくるのは、言い換えると化膿しているということ。もちろん化膿自体は正常な反応なので、気にする必要はありません。

しかし化膿によってできたカサブタを無理に剥がしたり、痒いからとかいてしまうと跡に残りやすくなってしまいます。体の他の部分でも一緒ですよね。傷が完全に治るまで、できるだけ触らない・触らせないように心がけましょう。


次のワクチン接種は3ヶ月後。3ヶ月の予約はモチロン、その次となる7ヶ月後の予約も今日一緒に済ませてきました。少し間があいてしまうので、忘れてしまわないように注意しないといけませんね。

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